様々な職種の会社があって、そこで働く人たちを支援するため、職場環境をより良くできるようなニーズに応えていくのが"シャイニング"の使命。
そして職場で活躍する人材育成に貢献できるよう、教育の分野にも力を入れ、学ぶ人たちを応援していくことも"シャイニング"の使命なのだ。
"シャイニング"で働く社員、私たちが輝いていなければ、周りの人たちのために力を尽くすなんて出来るはずがない。

『皆のため、人のため、そして自分のため』

それが"シャイニング"の経営理念なのだ。

「俺さ、入社してからずっと5年間、広報部から動いたことがないんだよな。蘭さんもそうだろ?」

「はい。私もずっと教事1課のままです」

「実は俺、新規事業として立ち上げられたばかりのラーセクに興味があって、ラーセク希望出してたんだよ」

新入社員研修の後、希望が採用されるかどうかは別として、参考までにどこの部署を希望するかを書いて提出させられたのを思い出した。
私は、希望は特になかったため、特定の部署名を書かなかった。

「だから最初の頃は広報部の仕事に身が入らなかったっていうか、不満を抱えながら適当に仕事やってた気がするんだ。経営理念のことなんか全く頭になかった」

「私も新入社員の時は何もかも分からない事だらけで、経営理念なんてすっかり忘れてました」

それって社員として、マズイよね。

「だけどさ、1年経ってから人事異動であの人が広報に来たんだ。蘭さんもよく知ってる佐伯先輩だよ。突然の異動だったんだよね」

佐伯主任は入社後に営業部に配属され、新入社員ながら営業成績は抜群。
すぐに営業部期待のエースと騒がれる存在だったらしい。
このままトップに登りつめるかと思われていたのに、何故か広報部に異動。
しかもたったの2年で。

「ほら、うちの上村課長が佐伯先輩をえらく気に入って、広報に是非来てほしいってヘッドハンティングしたらしいんだ」

それは聞いた事がある話だ。

「だけど普通に考えたら営業がエースを簡単に差し出すような真似しないよな。そう思わない?」

「そうですよね……」

誰だってそう思うだろう。
佐伯主任はどんな気持ちで異動したんだろうか……。