「うん、いいよ。これね、生地がフワフワになるように秘密があるんだよね」
さっきから『この前のパウンドケーキ』って?
お母さんが入院してたときに、あかりと一緒に作ったアレかな。
「この前のパウンドケーキよりもって。なんで主任まで……」
主任を見ると、ちょっと苦笑気味。
私、なんか知らず知らずにやらかしてる?
「姉貴が、吉田先生に『お好み焼きのお礼』って言って俺に持たせたじゃねーか!先生も翔さんも『美味かった』って、姉貴も聞いたろ?」
あ…………。
そっか、私の中でまだ完全に一致してなかったんだ。
吉田先生の息子さん=佐伯主任。
私、気づかないうちに、主任に手作りケーキを食べさせていたってこと……。
ん?
と、いうことは……。
佐伯主任が言ってた、絶品のパウンドケーキって。
「元カノじゃなかったの!?」
「……俺、一言も『元カノ』なんて言った覚えないけど」
た、確かに。
主任が言った訳じゃなくて、私が勝手に勘違いしただけかもしれないけど……。
でも、それじゃ私の作ったケーキが美味しかったってことだよね?
今日のチーズケーキも『好きだ』って!
「おい姉貴。姉貴ってば、聞いてんのか?」
「へっ?な、何か言った?」
「翔さん、帰るってよ。ほらお土産お土産!」
え、もう帰っちゃうの?
ケーキを吉田先生にも食べてもらいたいから、持って帰ってもらわないと。
「主任、ちょっと待ってくださいね!直ぐに準備しますから……」
たくさん作っておいて良かった。
ニヤケる顔を必死に普通に戻して、キッチンに向かった。
冷蔵庫から残りのチーズケーキを出して箱に入れ、保冷剤入りの保冷シートに包んでから紙袋に入れる。
「佐伯さん、今日はきれいなお花を頂いてしまって、ありがとうございました。まひろから聞いたんですか?私が花が好きだってこと……」
さっきから『この前のパウンドケーキ』って?
お母さんが入院してたときに、あかりと一緒に作ったアレかな。
「この前のパウンドケーキよりもって。なんで主任まで……」
主任を見ると、ちょっと苦笑気味。
私、なんか知らず知らずにやらかしてる?
「姉貴が、吉田先生に『お好み焼きのお礼』って言って俺に持たせたじゃねーか!先生も翔さんも『美味かった』って、姉貴も聞いたろ?」
あ…………。
そっか、私の中でまだ完全に一致してなかったんだ。
吉田先生の息子さん=佐伯主任。
私、気づかないうちに、主任に手作りケーキを食べさせていたってこと……。
ん?
と、いうことは……。
佐伯主任が言ってた、絶品のパウンドケーキって。
「元カノじゃなかったの!?」
「……俺、一言も『元カノ』なんて言った覚えないけど」
た、確かに。
主任が言った訳じゃなくて、私が勝手に勘違いしただけかもしれないけど……。
でも、それじゃ私の作ったケーキが美味しかったってことだよね?
今日のチーズケーキも『好きだ』って!
「おい姉貴。姉貴ってば、聞いてんのか?」
「へっ?な、何か言った?」
「翔さん、帰るってよ。ほらお土産お土産!」
え、もう帰っちゃうの?
ケーキを吉田先生にも食べてもらいたいから、持って帰ってもらわないと。
「主任、ちょっと待ってくださいね!直ぐに準備しますから……」
たくさん作っておいて良かった。
ニヤケる顔を必死に普通に戻して、キッチンに向かった。
冷蔵庫から残りのチーズケーキを出して箱に入れ、保冷剤入りの保冷シートに包んでから紙袋に入れる。
「佐伯さん、今日はきれいなお花を頂いてしまって、ありがとうございました。まひろから聞いたんですか?私が花が好きだってこと……」



