サナが来て一ヶ月近くすぎたある日曜日、七月の頭、サナはある女とにらめっこしている。にらめっこしている相手は同業者、つまりキャバクラで働くミクだった。長い髪を金色に染め、長いまつ毛は、つけまつげで、ギャルを思わせる風体をしている。

ミクとは同業者の中でも一種の共存関係のある特別の存在だった。飲み屋の世界には暗黙のノルマが存在する。お客さんがどしても捕まらない日にオレ達はお互いの客になる。そういった関係の人物は他にもいたが、ミクは少しだけ特別というか、友情に近い関係だった。

そのミクとサナがにらめっこしている。玄関を開けたサナを見て、ミクが驚いた表情をしている。サナもサナで、初めてオレの同年代の女性を見て、固まっているといった感じに見える。