帰る家のないと言ったサナだったが昼過ぎに家を出ていった。三十分以上サナの帰りを待ってみたが一向に戻ってくる気配がない。少しだけ寂しい気もする。起きるにはまだ早いと思い二度寝することにした。

夕方四時に目が覚めると、帰ったはずのサナがいた。大きな荷物を持ってきている。

「おい、お前、帰ったんじゃないのかよ?」

「うん、荷物をとりに帰ったよ」

「帰る家がないんじゃなかったか?」

「ふへっ?うん、そうよ」

「じゃあ、その荷物はどうした?」

ぐうの音もでないといった感じのサナは言い放つ。

「わたし、しばらくの間、ここに住むからね」と横暴な事をいいだした。