「ねぇ……、もしあなたが、未菜を殺したやつらに復讐しようとしてるんだったら、やめなさい。あんなやつらのために、あなたの人生をどぶに捨てる必要は無いでしょう?少しは、復讐してほしいって気持ちもあるけれど…」

未菜の母はいいかけて、微笑んだ。





「あなたには、未菜の分まで自由に生きてほしいの。


―――約束できる?」





希が戸惑ったように瞳を揺らす。

しかし、決意したように一回瞼を強く閉じると、力強い眼差しで頷いた。





「――はい。
未菜の分まで生きて、俺が未菜に、






―――自由を見せます」





それを聞いて、未菜の母はにこやかに笑った。






―――まだ寒い、冬のことだった。