目が覚めたのはそれから1時間ほど経過した時だった。


ゆったりとした疲れに身を任せていたのに、寮内の騒がしさで目が覚めた。


「なんの音?」


廊下を沢山の足音が行きかっている。


しかし、窓の外はまだ暗く、太陽は沈んでいるのがわかった。


「くそ……こんな時に」


真仁は舌打ちをして手早く衣類を身に着ける。


あたしも投げ出したパジャマを着ながら、廊下の様子を伺った。


誰かが部屋に入って来る様子はないから、今の内なら真仁を逃がすことができる。


あたしは窓を開けて外を確認する。


幸い、外には誰の姿も見えなかった。


「真仁、大丈夫だよ」


「サンキュ、またな」


真仁は早口で言い、あたしにキスをすると女子寮から逃げ出した。


その姿を見送り、あたしは自分の衣類の乱れをしっかりと直して窓を閉めた。