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1人部屋に3人で眠るのはさすがに窮屈だったようで、12時前に目を覚ましていた。


「本当に静かだね」


瞳がポツリと呟いた。


寮内には物音1つ聞こえてこない。


「でしょ? ちょっと気持ち悪いくらいだよね」


あたしは頷いて答える。


いくら12時と言っても、これだけ静かになると少し妙な気持ちになってくる。


女子生徒全員がこの寮内にいるなんて、信じられないくらいだ。


「ここの生徒って、派手な子本当に少ないよね。学校の偏差値は低いのに真面目な子ばっかり」


亜沙美はそう言って大きな欠伸をした。


亜沙美の言う通り、あたしたちのように派手な生徒は少数だった。


特に、2年生3年生を見ていると、派手は子は1人もいなかった。


普通は学年が上がるごとに自由度が増して行くのだけれど、この学校は真逆のことが起こっているのだ。