「何言ってんの。そんなのすぐにバレるに決まってんじゃん」


そう言って、呆れたようなため息を吐きだした。


しかしあたしは無言でジッと瞳を見つめた。


瞳はいつから気が付いていたんだろう?


「バレないよ。ねぇ、知枝?」


そう聞かれて、あたしは大きく息を吐きだした。


「そうだね」


短く返事をして頷くと、目を丸くした亜沙美があたしへ視線を向けた。


「今までも何度か真仁を呼んだけど、一度もバレてない」


「嘘……冗談でしょ?」


亜沙美は口を大きく開けてポカンとした表情になってしまっている。


その気持ちはよくわかる。


女子寮に男子生徒を連れ込むなんて、簡単なことじゃない。


だけど、実際にあたしは何度か真仁を女子寮へ呼んでいて、誰にもバレていないのだ。