一瞬ひるんでしまったが、カヤ先輩1人ならどうにかなるかもしれない。


突き飛ばして脱出するのだ。


覚悟を決めてグッと握り拳を作った、その時だった。


カヤ先輩の後ろから複数の人影が現れてあたしは息を飲んでいた。


「なんで……」


そこに立っていたのは、男子生徒たちだったのだ。


みんな一様にヨダレを垂らし、目の焦点が合っていない。


あたしは数歩後ずさりをした。


その拍子に石に躓き、お尻からコケてしまった。


「あははははは!!」


カヤ先輩は笑い声を上げながらあたしに駆け寄って来る。


逃げ出す暇はなかった。


カヤ先輩に馬乗りになられ、身動きが取れない。