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A組の教室へ入ってからは、予定通り他のクラスメートに宿題を写させてもらう事になった。


相手はいつも秀才で大人しい女子生徒だ。


「いつもごめんねぇ? 昨日は忙しくってさぁ」


あたしの言葉に「全然大丈夫だよ」と、笑っている。


心の中ではなにを思われているかわからないけれど、とにかく今がよければそれでいい。


宿題が終れば用なしだ。


「ねぇ、明日土曜日で学校休みだね」


宿題を写し終えた頃、瞳がわかり切ったことを言って来た。


「そうだね。だからなに?」


亜沙美がそう聞いている。


「朝食の時間も自由だしさ、今日……」


そこまで言い、言葉を切る瞳。


その目は教室後方で固まって会話をしてる男子たちへ向けられた。


「今日、なに?」


あたしはその後の言葉を催促した。


「彼氏を、女子寮に連れ込んでみない?」


こそっと耳打ちされた言葉に亜沙美が目を見開いた。