「絶対言われるでしょ。カヤ先輩の真面目さはちょっと異常だもんね」


「やば。消臭スプレー持ってくるんだった」


瞳は今さら焦り始めている。


「カヤ先輩ってさ、絶対に処女でしょ」


不意に亜沙美がそんなことを言い出したので、あたしはまで噴き出してしまった。


でも、カヤ先輩がそういうことをしている所は、確かに想像ができなかった。


「彼氏とか絶対いなさそうだよね」


瞳も同じ意見みたいだ。


「そうだ! 知枝がカヤ先輩に教えてあげればいいじゃん!」


亜沙美の言葉にあたしは首を傾げた。


「教えるってなにを?」


「なにって……エッチの仕方に決まってんじゃん!」


あたしはその言葉にまた噴き出してしまった。


「やめてよ気持ち悪い!」


「知枝は経験豊富だからカヤ先輩鼻血吹いて倒れちゃうかもよ?」


瞳まで面白がってそんなことを言ってくる。


「もう、この話はやめ!」


あたしはそう言い、一人で大股に歩いて校門を入って行ったのだった。