真仁の罪は無断で女子寮に侵入したことだった。


「1度や2度ならまだしも、何回侵入したの?」


カヤ先輩は真仁の前に立って聞く。


真仁はカヤ先輩を睨みつけながら「さぁ? あいにく数えてないからな」と、答えた。


その言い方が気に入らなかったのか、カヤ先輩は真仁の頬に唾を吐きかけた。


真仁はそれでも動じず、カヤ先輩を睨み付けている。


「カヤ先輩って真面目な生徒ってイメージだったけど、ただの薬物中毒だったんだな」


「何とでも言うといいわ」


カヤ先輩も、真仁の挑発に乗らないように気を付けているのがわかった。


しかし、部屋の中の空気が緊迫し始めているのことは、肌で感じて理解できた。


「そろそろ薬が切れて落ち着かなくなる頃じゃないですか? もう、幻覚が見えていたりして」


真仁はカヤ先輩への挑発をやめない。


「決めた。あんたは自分の下腹部を切り落としなさい」


カヤ先輩はそう言うと、他の先輩から受け取ったナイフを真仁の下半身に押し当てた。


「ここがなければ、女子寮に侵入することもなかったんでしょう? この汚い物を無くせば、あんたはもうここには来ないはずよ」


その言葉に真仁は肩をすくめた。