「なぁ! なんでもするから解放してくれよ!」


そう叫んだのは真仁だった。


真仁はあたしの手をきつく握りしめている。


「今更何を言ってるの?」


カヤ先輩は必死に叫ぶ真仁を見て、また笑みを浮かべた。


「金が必要なら用意するし、これから先なんでも言うことをきく! 約束するから!」


「ダメよ。あたしたちは自分の任務を遂行して、それで報酬を貰うんだから」


カヤ先輩の言葉にあたしと真仁は目を見交わせた。


やっぱり、カヤ先輩のバックには別の誰かがついているのだ。


カヤ先輩は、相手からの命令に従っているだけだ。


「お金ならいくらでも出すって言ったでしょ!?」


あたしは真仁と同じように叫んだ。


報酬額がいくらかわからないが、それよりも大きな金額を提示すればやめてくれるかもしれない。