「亜沙美は掃除をサボっていただけです。それなのに、ここまでする必要がありましたか?」


あたしはカヤ先輩を睨み付けながら聞いた。


恐怖心を隠すのに必死だ。


「口で言ってわからないなら、強制的に理解させるしかないでしょう?」


「それなら、もっと他に方法があったんじゃないですか!?」


亜沙美の頬はただれ、皮がむけている。


見ているだけで痛々しい状態になっていた。


それに、亜沙美と友樹の関係もぶち壊しになってしまっただろう。


「なにを生ぬるいことを言っているの? あたしは何度も平方さんに掃除をするように伝えたわ。他の生徒たちだって、何度か説得したはず。それでも変わらなかったのは、彼女自身じゃない」


それはそうかもしれない。


カヤ先輩の言っていることは筋が通っているから、余計に厄介だった。


でも……「筋が通っていれば、なにをしてもいいんですか?」あたしはカヤ先輩を睨み付けたまま言った。