私には思春期というものが訪れず、今日までやってきたのだ。
それでも親は予め気を遣ってくれた、その厚意を無駄にしてはいけない。
子供ながらにそう思った私は、本音を言うことを我慢してひとり寂しい部屋で寝るようになった。
どうせならその時に言えばよかった。
お父さんとお母さんと一緒に寝たいって。
ベッドが狭いなら、布団を敷いて3人で寝たいって。
けれど言えないうちにお父さんの単身赴任が決まってしまったのである。
その結果、より両親との時間が減っていき、現在に至る。
『華蓮、大きくなったなぁ。
立派な大人になるんだぞ?』
それでも今は夢の中。
目の前にいるお父さんにめいっぱい甘えられる。
夢の中は自由だ。
何をしてもいいのだから。



