*
『華蓮、おいで』
ここは夢だとすぐにわかった。
自分が今よりずっと幼い姿になっていたからだ。
小学校低学年の頃だろうか。
まだこの時はお父さんも一緒に暮らしており、私も素直に甘えることができていた。
お父さんはいつも私を甘やかしてくれ、結構な頻度で呼ばれては駆け寄ってお父さんにピタリとくっつき、テレビを見たり話していたり、こそばされて暴れていたこともあった。
寝る前はいつも頭を撫でられ、家族3人大きなベッドで寝ていたけれど。
思春期を心配して気を遣ってくれたのだろう、小学校四年生になるとひとり部屋にベッドが設置された。
これからはそこで寝ろということで、多分その辺りから寂しい感情を抱くようになったのである。



