「京子に電話した方が早くね?」


「あっ!!!確かに!!!」




私は急いで京子に電話をかける。
すると、3コール目ですぐに電話に出てくれた。




「京子!?無事!?何もされてない!?」


『大丈夫よ。竜二に助けてもらったから』





「よ…良かったぁ…!!」


『私は大丈夫だから。それよりさ花莉、今詩優といるんでしょ?』





「うん?いるよ」


『まだ30分くらい時間あるからギリギリまでデートでもしたら?』





「え」


『ってことで。楽しんでね』






ツー…ツー…
電話はすぐに切られてしまい、「どうだった?」と詩優に聞かれて何を言おうか少し迷った。






「京子、無事だって…」





1番重要なところだけ詩優に伝える。




「良かった」


「うん…」





「花莉、クラスの手伝いあるんだろ?教室まで送ってく」


「…えと……あ、の………ありがと…」






さすがに、犬耳のままの詩優をデートに誘うのはどうだろうか……と思い「デートしない?」とは言えなかった。






…詩優だって、私のためにクラスの手伝いの途中で抜け出して来たんだもんね……