「…私以外にもこうやって触られた?」
気になって聞いてみる。
もし私以外にもこうやって詩優をもふもふした人がいるんだったら嫌だ。私が触るよりも前に触らないでほしい。私が触ったあとでも触って欲しくないけど……
詩優は私のだ。
「……」
口を噤む詩優。
…え。これは……もう誰かに触られたってことだろうか。そんなのやだ……触られてないって言ってよ…
じっと詩優を見つめていると…目の前の彼はにやり、と口角を上げる。
「!?」
まるで何かを楽しんでいるような意地悪な顔。
「どうだろうな?」
やっと口を開いたかと思ったら、詩優はちゃんと答えてくれない。
答えてほしいのに……
胸がもやもやしてくるから……
「どっちがいい?」
またまた答えてくれず、私の顔を覗き込んでくる。
「…そんなの…詩優に私以外の子が触れたら嫌に決まってる」
私が答えると、詩優は満足そうな顔になって、
「俺は花莉のだから。飼い主であるお前以外には懐かねぇし、触らせねぇよ」
ぽんぽんと私の頭を撫でてくれる。
…良かった……
素直にそう思った。



