世界No.1の総長と一輪の花 II






でも、触りたいんだ。




「詩優!!しゃがんで!!!」




私がそう言うと詩優は不思議そうにしながらも私の前にしゃがんでくれた。





ぴょこんと生えている犬耳にそっと手を伸ばすと…





すごく柔らかくてふわふわしていた。





…可愛い……可愛すぎるよ…





夢中で耳を触って、頭を撫でる。
詩優が黒髪だから、この黒い犬耳もすごく似合っている。まるで、本当に耳が生えているんじゃないかと思うくらい。





「わん」




そう言った詩優が可愛くてさらさらの黒髪を撫でまわす。





お化け屋敷にこんなに可愛い犬がいたら怖さなんてなくなるんじゃないか……可愛すぎてみんな触りたくなっちゃう。




…それは…嫌だな……




"脅かしてきたら抱きついていいかな!?"




ここのお化け屋敷に入る前に女の子が言っていた。









もう…誰かに抱きつかれた後だったらどうしよう………