世界No.1の総長と一輪の花 II







お化け屋敷の中へと入って気づいたのだが…
つまり、私たちはお化け屋敷の中で京子たちに追いつかないといけないんだ。





…こんな、暗い中で……





渡された懐中電灯2つを頼りにして一歩、また一歩…前へ進んでいく。





「は、花莉っ……い、今…何か聞こえなかった?」





明日葉は右手に懐中電灯、左手に竜二さんからかりたメガネを握りしめている。『魔除のメガネ』とか言ってさっきかりていたんだ。





「え…?な、何も聞こえなかった…よ?」





大丈夫、と自分に言い聞かせても足は震えるし、声も震えてしまう。
それは私だけではないようで、明日葉も震えているのがわかった。





「唸り声…みたいなの…本当に聞こえなかった!?」


「…唸り声…?」






ぽんっ、と肩に手を置かれて振り向いてみれば…






後ろにいたのは白い着物を着た髪の長い人。
髪の隙間から見える色白の顔…口元はにやりと不気味に笑う。






心臓が止まるかと思った。
ついに見てはいけないものを見てしまった、と…ここに来たことを後悔しても遅い。