「じゃあもど…」
"じゃあ戻るね"と言いかけたところで、
「京子ちゃん!!やっと見つけた!!」
とチャラ男が出口に到着。
最悪のタイミングで。
あと10秒遅ければ逃げられたのに…
こうなったら仕方ない。
「ごめんね?チャラ男くん。この人が私のダーリンなの」
竜二の腕に自分の腕を絡ませて、くっつく。
「………」
竜二はしばらく固まったあと、ため息をつきそうだったがそれを抑えてくれて「そういうわけだから彼女に近づかないでもらえるか」とチャラ男を睨む。
抑揚のない声だけど、"彼女"という言葉にドキドキしてしまう。
「すみませんでしたぁぁぁぁ!!!!!」
よほど竜二が怖かったのか、チャラ男は一礼してから走り去っていく。それもすごい勢いで。
…竜二ってもともと目付き悪いのよね。
だからちょっと睨んだだけでもすごく怖く見えてしまう。
本人はそれを気にしているみたいだけど…



