ゆっくり目を開けた。



すると、一番最初に耳に届いたのは



「花莉!!!」




大好きな人の声。




それから、私の視界には詩優とお母さんがうつる。




光にまだ目が慣れないせいで少しぼやけてしまう。
ちゃんと見たいのに……またすぐに目を閉じてしまいそう。




「…良かった……っ」




お母さんが優しく私を抱きしめてくれる。
そのおかげで




“戻ってきた”
という実感がわいてきた。





ぎゅっと強く右手を握ってくれるのは。見なくてもわかる。





温かくて大きな優しい手。
こんなに安心する手は詩優しかいない。











詩優が私をここに連れ戻してくれたんだ。