いけないいけない。一瞬ここが車の中で、康さんが送迎してくれていることを忘れていた。 「…じゃあ今は我慢するからあとでご褒美ちょーだい」 詩優はじっと私を見つめる。 何かを期待するかのような目だ。 「私ができる範囲だったら…いい、けど」 無理なものだったら諦めてもらうしかない。 「よっしゃ。ご褒美ゲット!」 詩優はなぜだかすごく嬉しそうで、子どもみたいだった。そういうところもすごく好き。