顔を上げて、「失礼します」と言ってからゆっくり座る。
「花ちゃん、紅茶にお砂糖何個入れる?」
朱里さんが紅茶をいれてくれて、角砂糖が入った容器を開けた。
「あ、ありがとうございますっ。い、いれなくて大丈夫ですっ」
そう返事をしたのだが、強制的にお砂糖を1個入れてスプーンでかき混ぜる朱里さん。
「しーくんから聞いたよ。花ちゃんはアップルティーにはちみつ入れて飲むって。さてはお主、甘党だな?」
にこにこしながら話す朱里さんは可愛くて。
見てるこっちまで頬が緩んでしまいそう。
「ありがとうございます」
ティーカップに入れてもらった紅茶が私の前に置かれた。
もうひとつのティーカップには、なんと……
お砂糖を3つ入れた。
スプーンでかき混ぜて、そのカップを私の目の前に座った詩優のお父さんの前に。
「意外でしょ?パパね、こんな怖い顔してるけどコーヒーにお砂糖3ついれないと飲めないんだよ?」
ふふっと笑う朱里さん。
今日1番、驚いた事実かもしれない……。



