…怒らせた?
でも…葉月さん、大事な話があるみたいだし……。引き止めちゃだめな気がしたんだ。
そんな気がしたんだけど…
なんで今更後悔しているのだろう。“だめ”って言えばよかったって。
そんな反省を自分の中でしている時に再び部屋の扉が開いた。今度はゆっくり。
詩優が帰ってきた、と思ったけど……
部屋に入ってきた人物を見て、心臓が口から飛び出るかと思った。
急いで立ち上がって、頭を下げる。
だって、今部屋に入ってきた人が詩優のお父さんだと思うから。
一瞬しか見ていないけど、高級そうなスーツに身を包んだ貫禄のある男性。
「花ちゃん久しぶりー!!」
それから足音が聞こえてきて、明るい声が耳に届いた。
顔を上げると、そこにいたのはさっき見たスーツを着た男性と、それから……黒いスーツを着た詩優の姉である朱里さん。



