「5分だけ……お願いしますっ……」 そこまで言われたら「…わかった」と返事をするしかない。 葉月さんはすぐに顔を上げて「本当にありがとうっ!」涙目で私にお礼を言った。 繋いだ手から、強い力を感じて。 ちらりと詩優を見れば、少しムッとした表情をしていた。それから、 「ばーか」 確かに彼の唇がそう動いたのを見逃さなかった。 するりと私の手を離して、立ち上がる詩優。 それがなんだか寂しい、とおもったのは秘密だ。 「行こ」 それから詩優は一度も振り返らずに葉月さんと部屋を出ていった。