詩優の手が私の手の上に重なって。
絡み合うように繋がれる。
ちらりと隣に座る詩優を見たら、
「親父が来たらさすがに離れるから」
私の心配が伝わったのかそう言ってくれた。
それなら安心、と思った時に─────
バンッ!!
と勢いよく部屋の扉が開いた。
部屋の扉の方に視線を向けると、そこにいたのはまさかの人物。
詩優の幼なじみの葉月さん。
…なんで葉月さんがここに……?
制服姿の葉月さんはふわふわに巻いてある髪をなびかせて走って私たちの前へ。
それから、勢いよく頭を下げて
「妃芽乃さんっ!!!詩優を少しだけ貸して!!!」
と言ったのだ。
あまりにも突然の出来事に頭が追いつかない。
首を傾げたまま葉月さんを見つめれば
「仕事なら今日は手伝わねぇよ?」
先に詩優が口を開いた。
「仕事とかじゃないの……私が、個人的に話があるだけで……」
葉月さんの声は震えていた。
個人的に話、というのは……もしかしたら私にとってあまりいいものではないのかもしれないけど。
今、勇気をだして頭を下げている葉月さんの気持ちを無駄にもできない。



