不意に詩優の顔が近づいてきて、私は反射的に少し距離をおく。
「…な、に……?」
「ん?キスしようと思っただけ」
「なっ…!?」
なんで今?、と聞こうと思ったのに緊張のせいで上手く言葉にできなかった。
詩優を止めようとしても止まらなくて、ちゅっと柔らかい感触が頬へ。
結局頬にキスをされてしまった。
「…っ……」
顔が熱くなっていくのがわかる。
恥ずかしくて下を向いていたら顎を持ち上げられて、無理矢理前を向かされる。
詩優と目が合うと、目の前の彼はにっと笑って。
「いつもの花莉でいいから」
頭を撫でてくれた。
その手があまりにも優しいから、なんだか少しだけ緊張が和らいだ気がする。



