クレープを受け取ってから、また校内を移動。
連れてこられたのは屋上だ。屋上には何人か人がいて、隅っこの日陰に座る。
奢ってもらったクレープを食べながら無言でいると、
「京子ちゃんの1口ちょーだい」
とチャラ男は言いながら勝手に私のクレープを頬張る。
「ちょっと…!!!」
「そっちも美味しいね。こっちも1口あげるよ」
チャラ男は自分のクレープを私の口元に近づけて、にこりと笑う。
だから負けないようにがぶっと大きく口を開いていっぱい食べてやった。
…甘ったるい……胸焼けしそうなくらいに
「こっちはどんな味だろう。味見してもいい?」
チャラ男は私の唇に人差し指を当てる。
「きも」
思わず出てしまった本音。
「ひどいなー」
とか言いながらまた笑うチャラ男。
私は残っているクレープを無理矢理口の中に入れてよく噛んでからごくん、と飲み込む。
…やっぱり甘すぎる



