「ごめんな。起こすつもりはなかったんだけど……どうしても早く会いたかったから俺の部屋まで連れてきた」
ドキッと胸が鳴った。
どうしても早く会いたかった、ということは……
詩優も私と同じ気持ちだったんだ、ということ。それがすごく嬉しい。
「…早く起こしてよ」
そうすればもっと早く詩優と会えたのに。
「気持ちよさそうな顔で寝てたら起こせねぇだろ」
またぽんぽん、と頭を撫でてくれる。
私をあやすかのように。
気持ちよさそうな顔…とはどんな顔だろうか。
っていうか、髪の毛ぼさぼさだったかもだし、いびきかいてたらどうしよう…。
好きな人にそんな姿を見せてしまうのはさすがに恥ずかしすぎる。
「布団蹴っ飛ばして腹出して寝てるし。風邪ひいたらどうしようかと思った」
それから、ふっと笑う声が耳に届いた。
「へ?」
布団蹴っ飛ばして、お腹出して寝てた!?