結局、今回もこうなることは何となくわかっていたんだ。
ボーリング対決で負けてしまった明日葉。だから私は仕方なくこの男とデートをするはめになってしまった……
「京子ちゃん、次どこ行く?」
緑メッシュの長髪男は私の手を引きながら、にこにこ笑顔で聞いてくる。
「…まずあんた、名前も名乗らないで私のこと連れ出すとかいい度胸じゃない」
「あぁ、ごめんね。俺の名前は杉原 大和(すぎはら やまと)。よろしく、京子ちゃん」
…この男、チャラそうだわ
繋いだ手だって離してほしいのに、振り払おうとしても力が強くてふりほどけない。
「チッ」
思わず舌打ちをしてしまった。さすがに杉原という男は引くかと思ったが、にこにこしたまま歩く。



