「馬鹿花莉。何ナンパされてんだよ」
少し…本当に少しだけ、怒りを含んだ声。
だけど、優しく私に触れてきて。
正面にまわって、私の顔を覗き込んでくる。
「なんかされた!?」
詩優と目が合えば、目の前の彼は驚いて。
「…1発殴っとけばよかった」と低い声で呟いたのを聞き逃さなかった。瞬きをすると、涙がこぼれそうになって慌てて目元を指で拭う。
違うの。さっきの人たちになにかされたわけじゃない。
私が1人で…不安になってただけ…。
私の頭を優しく撫でてくれる。
彼の手が温かくて…安心する。
何を不安になっていたんだろう。
これから頑張ればいいだけじゃないか。
大人の女性になって詩優と釣り合うように頑張ればいいし、
詩優をドキドキさせられるようにこれからもっともっと考えて、やっていけばいい
これからの目標ができた。



