2階には誰もいなくて、私たち3人だけ。




「花莉、夜は冷えるからね。これに履き替えて」




京子に渡されたのはビニール袋。その中を見ると、“裏起毛タイツ”と書かれたものが入っていた。




…へ?




「風邪ひかないでねー!!!」




はい、と明日葉から手渡されたのは、たくさんのホッカイロ。
それもまだ未開封のものばかり。




…なんでこんなにたくさん?




「手袋とマフラーもね。つける前に髪の毛巻いちゃいましょうか」


「じゃああたしは詩優の上着奪ってくるねー!!」




京子も明日葉も、何かの準備…?をしているけど、これから何かあるのだろうか…。
さっぱりわからない。










「花莉、ここ座って」



京子に促されて、椅子に座ると。
私の髪の毛をいじり出した。




くるくる、とあるものに髪の毛を巻き付けて…少ししてから戻すと、髪の毛が綺麗に巻けている。




「…京子…、これから何かあるの…?」




目の前にある鏡にうつっている京子の目をちらりと見る。
小さくもなく大きくもない声だったと思う。