世界No.1の総長と一輪の花 II






「……おしることね、磯辺餅があったの。お母さん、たくさんお餅焼いてくれてたんだけど、私…いつもひとつずつしか食べられなくて」


「花莉、胃袋小さいもんな」





「あの頃はたくさん食べたかったの。冬樹くんだってたくさん食べてたから」


「…へえ?“冬樹くん”、ね」





詩優はなぜかそこに反応して、繋いでいた手をぎゅっと強く握ってくる。
さらに、繋いでいない方の手で私の頬に触れて。





身体中の体温が上がって、ドキドキとまた心臓が暴れ出す。





そんな私の反応を見て楽しむかのように、目の前の彼は




「顔赤い」





にやりと笑う。





そう指摘されると余計に恥ずかしくなって。
どんどん顔が熱くなっていく。





「そういう可愛い反応されるとキスしたくなる」





少しずつ、顔を近づけてくるから私は慌てて口元を手で覆った。
キスされないように…。





だいたい、康さんが学校まで送ってくれてるのに何を言い出すんだ。
私たち2人だけじゃないのに…。




「…帰るまで我慢する。だから…帰ったらキスしまくるから覚悟して」





詩優は私から離れて、またにやりと口角を上げる。
帰ったら私は詩優から逃げることはできないだろう…。