「明日にでも妃芽乃様のお母さまに挨拶にいきましょう」
鎖が離されると、息が吸えるようになった。
必死に酸素を求める私を見て宮園さんはにこにこと笑ったまま。
「逃げようだなんて考えない方がいいですよ。あなたの大好きな夜瀬詩優が大変な目にあいますからね」
最後にそう言って、部屋から出ていった宮園さん。
一人になった部屋で、涙が溢れる。
本当は、今日…詩優とデートのはずだった。今日1日、詩優のことしか考えたくなかった。
…詩優と離れたくなかった……。
最後に、“ありがとう”って直接伝えたかった…
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