すぐに彼女は手に何かを持って急いで走って戻ってきた。
「これにお願いします!」
また俺の膝の上に座ってくれる、なんていう淡い期待を抱いていたが残念ながらそう上手くはいかない。
花莉は俺の隣へと座って、数枚の写真とペンを俺に手渡す。
…その渡された写真……
それは、俺の写真だ。
雷龍の特攻服を着てる写真に、なんか知らねぇけどめちゃくちゃ笑ってる写真。それに……寝てる写真まである。
寝てる写真って……
授業中寝てたやつか…?教科書とノートを枕にしてるし…
いつ撮ったんだか。
「俺さ、特にオリジナルのサインとかないから夜瀬詩優って名前書けばいいか?」
「うん!!!」
俺は受け取った5枚の写真に夜瀬詩優とサインをした。
「ほい」
「ありがとう!!!!!」
花莉に渡すとすごく嬉しそうな顔をしてくれる。
なんだかこっちまで嬉しくなるな…
大したことはしてねぇのに



