担任の先生から配られたそれを見つめて、




「「はぁ…」」




と、同時にため息をついた私と京子。





「…ため息をつくと幸せが逃げていく、と聞いたことがある」





竜二さんはそう言ってからお弁当を口へと運ぶ。





担任から配られたもの…
それは、“進路希望調査”。




「…竜二さんは決まってるんですか……?」





ちらりと竜二さんを見ると、お弁当のお箸を置いて





「…俺はおそらく、父の仕事を継いで副社長でもやるだろう」





そう答えた。




…すでに決まってる未来……それをどう思っているのかまではさすがに聞けなくて





「…そうなんですね」




と返した。





「そういえば花莉だって決まってるじゃない」





京子はそう言ってから私の手から進路希望調査を奪った。それからペンケースを出して、スラスラと文字を書いていく。