「今日は明日葉と竜二に守ってもらって」


「…詩優は?」




「俺は売られた喧嘩買ってくる」


「…気をつけてね」




朝方、ぽんぽんと詩優に頭を撫でられる私。
頭を撫でてもらえるのは嬉しいんだけど…それだけじゃ足りなくて





「…キスして。深いのがいい……」





じっと詩優の目を見つめた。





「帰ったらな」





詩優は今度は乱暴に私の頭を撫で回すと、私の鞄を持って歩き出した。






ぽつん、と残された私は髪を整えながら詩優の後をついて行く。






エレベーターに乗って、そのまま外へと出ていつもの康さんの車に押し込まれて。






「なんかあったら俺に連絡して」






鞄を私に渡してから詩優は最後にそう言うと、車のドアを閉めて…
すぐに車が発進。






私は窓から遠くなっていく詩優をただ見ていた。