朝方、部屋に帰ってきた詩優はなんだか嬉しそうだった。ぎゅっと私を抱きしめて、
「葉月とのこと、なんとか婚約解消できたから…」
そう言った詩優。
「……よかった」
ぎゅっと私も詩優を抱きしめ返した。
異変に気づかれないように……
婚約解消できたのは……きっと宮園さんが何か言ってくれたから…なんだよ、詩優……。
でも、良かったよ。
これで私がいなくなっても他に好きな人をつくって…その人と結婚できる…ってことなんだから……
涙が溢れそうになったけど、ぎゅっと目を瞑って堪えた。
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