エレベーターを2人でおりて、下にとめてあった黒塗りの車の扉を開けて




「どうぞ」




宮園さんは私を乗せてくれた。





「…ありがとうございます」





この車に乗るのは2回目。
前に、京子の家の近くまで乗せてもらった時以来だ。






走り出す車の窓の外を眺める。
車内は無言で、ただどこかで聴いたことがあるクラッシックの曲だけが耳に届いた。