「先代の総長
──准(じゅん)さんが俺を拾ってくれて、面倒見てくれたっけ。
当時俺は小学生だったから族には入れてもらえなかったけど…」


「…小学生……で?」





「あぁ。でも族に入れてもらえたのは中一の夏あたり。
親父が嫌ってる暴走族に入るのが俺の唯一の仕返しだったからもっと早く入りたかったけど」


「……お父さん…暴走族嫌いなの?」





…好きだと言う方が珍しいかもしれないけど……





「悠兄と母親がさ、交通事故だったんだ。
その交通事故を起こしたのがバイクに乗った暴走族」




「え」
あまりにも衝撃的な言葉で開いた口が元に戻らなくなった。





そんな私を見て詩優は頭を撫でてくれる。





「今の俺は暴走族を恨んでるわけでもないし、嫌いでもねぇから。
…暴走族にハマってるし。それも全部准さんが俺に暴走族の魅力を教えてくれたおかげ」