リビングにはいなくて…
詩優の部屋へと入る、そこには
ベッドの上で目を閉じて寝ている詩優の姿が……。
「…詩優っ!!」
すぐに近くまで駆け寄って、ぎゅっと抱きついた。
「…ごめんなさい……っ」
うそつきって言って。
一緒にいたくないって言って。
詩優の手を振り払って…。
「…俺の方こそごめん」
聞こえてきたのは倫也の声でもなく、京子の声でもない。
もちろん、私が声を出した訳でもなくて……
間違いなく詩優の声。
ぱっと詩優を見ると、目を開いていて……
でも、どこか辛そうな表情をしていた。
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