「……やっ…」





香水の匂いが甘くて…甘ったるくて、いつもの詩優じゃない気がして…彼を突き放す。






…詩優の目が見れない。
何から言ったらいいのかわからない。







…聞くのが怖い……























「…花莉」





彼が私の名前を呼んだ時、





ピンポーン





と玄関チャイムが鳴る音が聞こえた。






それから、






「詩優ー!!昨日から私の部屋にずっとスマホ置きっぱなしでうるさかったから持って来てあげたよー!!!」






以前聞いた女の子の声……
この声は葉月さんの声だ。






…"昨日から"
…"一人暮らしの葉月の部屋"
…"体の関係"












葉月さんが言ったこと、宮園さんから聞いたことが頭の中でぐるぐるとまわる。





























信じなきゃ…
詩優を信じなきゃいけないのに…

























この時の私にはもうどうすることもできなかった。