「…帰れ」


「姫泣かすと総長が怒るよ?」





奏太くんと壮くんの低い声が聞こえてくる。





…違うの……
…違うんだよ………






ぎゅうっと奏太くんと壮くんの裾を掴むと、振り向いた2人。






宮園さんは悪い人ではないことを伝えようとしたのだが、嗚咽のせいで上手く声が出せない。










「…どのみちそんなブサイクな顔じゃ人様に見せられないからやめとけ」






「俺も奏太に同意。
それに総長待つなら部屋で待ってた方がいいと思うけど」









2人はまたくるりと宮園さんを見て、







「「帰れ」」







と言った。








「……妃芽乃様、また」








宮園さんはぺこりと一例してからエレベーターに乗って、そのまま扉は閉まった。