「総長と副総長が音信不通とかまじで困るんだよね」
と倫也は笑うが、少し困っているようにも見える。
「…詩優が昨日出かけた時ね、なんか少し怒ってるような気がしたの。私が怒らせてたらごめんなんだけど……」
「大丈夫。詩優はひめちゃんによっぽどのことがない限り怒らないと思うからさ」
…よっぽどのこと?
私が不思議に思っていると
「ひめちゃんが馬鹿なことして危険な目に遭う、とか」
倫也はそう言ったかと思ったら急に私の肩に手を回して、ぐいっと体を引き寄せる。
そのせいで倫也と距離が近くなって……
カシャッ
とカメラのシャッター音が聞こえた。
…え?
私の肩にまわした手とは反対の手でスマホを持って写真を撮った倫也。
「ごめんね、ひめちゃん。詩優から早く連絡くる方法だから」
倫也はそう言いながら私から離れると、スマホを操作する。



