…倫也がそう聞くってことは、詩優と竜二さんがどこにいるのかわからないということだろう。
そして、それをわざわざ空き教室で聞くのは、よっぽどのことがあったから……だろうか。





「…どこに行ったのかは…わからないけど……」


「けど?」





「…今朝、詩優からメールが届いてたの」


「なんて?」






「先に学校行っててっ…て。それだけ…」






私が答えると、倫也は「そっかー」と言ってから、にっと笑う。






「朝からごめんね、ひめちゃん。ここ寒いから教室戻ろうか」







私に背中を向けて空き教室を出ようとする倫也。
…倫也に聞かれたことが引っかかってしまう。







…何かあったのではないか、と。







「…詩優と竜二さん、行方不明なの?」







空き教室から出て行ってしまいそうな倫也の袖をぐいっと引っ張る。
すると、倫也は足を止めて私と目を合わせる。







「ここ2日くらい連絡取れなくてさー」