『もしもし!?しーくん!?』 俺が声を出すよりも先に聞こえてきた姉貴の焦ったような声。 「…そんな慌ててどうした?」 『今すぐ社長室来て!!!!!』 「…社長室?なんで?」 『いいから早く!!!!!』 そして、姉貴の次の言葉に一瞬動きを停止。 『パパが勝手にしーくんの婚約者を葉月ちゃんに決めちゃったの…!!!』 時が止まったかのように動かなくなった。 それから、思い出したように込み上げてきたのは怒りで。 部屋の鍵を持って急いで社長室へと向かった。