少しして、
ピピピピッ、ピピピピッ…
という音が花莉のスマホから鳴り出す。
いつもの目覚まし音なのかも。俺はいつも寝てて気づかなかったけど…
「…ん……」
花莉が俺の腕の中でもぞもぞと動き出す。
…起きた?
まだ鳴り続ける目覚まし音。
「…っ………!!」
花莉は俺の胸を必死に押す。
俺は寝てるふりをしながらも花莉を抱きしめる腕に力を入れる。
「…っ……起きてっ…!!」
戸惑ったように必死に声を出す花莉。
それでも解放してあげなくて、スマホを手探りで探し出す。
何回かなった後に枕元のスマホをなんとか見つけたようで、花莉はスマホの目覚ましを止めた。
そして今度は俺の腕の中から抜け出そうと必死にもがく。
…っていうかさ、体細すぎ。
これ以上力を入れたら折れてしまうんじゃねぇかと思うくらい……
俺と離れる度に細くなりすぎなんだよ……
もともと細いけどさ…