…男ふたりの顔は覚えておいたからとりあえず放っておく。
今はこっちの方が大切だから。
俺は自分のジャケットを脱いで花莉の肩にかけてあげたが…
「しゆーらぁ♡」
花莉は顔を真っ赤にさせながら俺の肩へと手を回す。
そのせいで俺がかけてあげたジャケットが床へと落ちた。
…………熱?
花莉の腕に触れてみてもそこまで熱くない。
呂律回ってねぇってことは…
ちらりとソファの前にあるテーブルの上を見れば、酒の瓶が何本も置いてあった。
……のまされた、のか。
「帰んぞ」
俺にくっついた花莉を引き剥がして、落ちたジャケットを拾ってまた肩にかける。
「やらぁ…っあついの…っ!」
抵抗する花莉を無視して、ジャケットの前のボタンをとめた。
袖から腕を出してない状態で。
「裏口から出るから。いい子にしてろ」
ここのソファ席は会場にいる人たちからは目にとまりにくい。だから大声を出さなければ騒ぎになることなんてないんだけど…
「……ごほーびは?らいの?」
急に大人しくなったと思ったら、潤んだ瞳で俺の目を見つめてくる。
……可愛すぎ
「好きなもの食わせてやる」
「キス…」
呟くよう言った花莉。
「…わかったから。行くぞ」



