「俺のだってわかるようにマグネットピアスつけてほしかった」
耳たぶに優しく触れてから、私の目をじっと見つめる。
「…パーティーに赤いアクセサリーつけるのはどうかと思うけど……」
詩優の耳に視線を向けると、赤いピアスがついていた。しかも私が以前プレゼントであげたイヤーカフまで。
詩優にはやっぱり赤が似合う。けど……これから行くのはパーティーだ。
「…赤はだめ」
「じゃあ花莉も"赤い痕"隠しとけよ?」
にやりと口角をあげて笑う詩優。
「…へ?」
思わず間抜けな声が出てしまった私。
…もしかしたら…と思い自分の体を見てみる。
目に見えるところには赤い痕はつけられていなくて、もしかしたら首元かも…なんて考えてしまう。
バッグの中に入れておいた鏡で確認しようとしたが、詩優に制されてぎゅっと抱きしめられていた。